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『ブロークバック・マウンテン』のパロディは…

「映画史上、最も心揺さぶられる愛の物語」の呼び声高い、
カウボーイのゲイを扱ったカナダ映画「ブロークバック・マウンテン」
3月18日からの公開が楽しみ~♪
もちろん邪まな気持ちじゃないわっ。
「感動の一大叙事詩」に惹かれたからよ。←アヤシイ(^^;)

英国始め各国の映画賞を総なめにし、米国アカデミー賞にノミネートされている作品だけど、
そのアメリカでは、キリスト教保守派が猛反発しているのだとか。
こういうのを懐が狭いっていうんだな。

なーんて風潮をモノともせず、YAOI少女(腐女子ともいう)は米国でも健在。
もちろん、ladyやmanも参加しているだろう。

かの名作「Back To The Future」のドクとマーティの2人のシーンをピックアップして、
さらに繋げて、「Brokeback to the Future」というパロという意味深な予告編が、
ネット上で評判になっているのだそうだ。
【eiga.com>ニュース&噂】

記事によると、「皇帝ペンギン」や「トップガン」のパロ映像もあるというが、
他にも、
「ショーシャンクの空に」…レッド×アンディ
「バッドマン」…バッドマン×ロビン(組み合わせは逆かもしれない)
                      ↑専門用語が分からない方はさらっと流しましょう。
などのパロ映像が作られているだけではなく、
会話にも「Brokeback○○」なんて組み込むのが流行っているのだそうだ。

その場合、Brokebackは名詞とも動詞ともつかない使い方をするらしいのけど、
無論、カミング・アウトのために使っているわけではなくて、
「あれってアヤシーよねー」みたいな感じなのかな。
よく分からん。

さて、あまたの「Brokeback○○」の中でも一番のヒットは、
かのアメリカ副大統領のチェイニー氏の、
2006年2月11日には狩猟中に友人の弁護士を誤射し負傷させる事故を起こした。
この事故に関して、マスメディアに情報が漏れるまで公表しなかったことが判明し、
批難を浴びることとなる。
という、友人誤射事件を題材とした、
「ブッシュ氏とチェイニー氏と友人氏の三角関係のもつれ」というパロ。

歴代大統領の中でも特にお熱い関係といわれるブッシュ氏とチェイニー氏に、
友人氏が腹をたて、痴話ケンカに発展、ついに発砲事件となった――で、
TVでもコメディアンが題材にして大いに盛り上がっているという。
なんだか、楽しそ。
ちょっと観てみたいぞ。

【ブロークバック・マウンテン】 公式サイト

「Brokeback to the Future」は現在削除されているのだけど、
その辺りの事情も含めて、パロを観てみたい方は【who cares?】様へお邪魔しましょう♪

[補足]
先ほどパロ映像を一覧できるサイト様を発見!
【C3-POもチェイニー副大統領もブロークバック・マウンテン!】

大笑いさせてもらいましたともっ。
あ、目尻のシワが増えたかも…いやん。
# by sumika_meimu | 2006-03-01 00:01 | この愚かな日々

憐れみはあとで

D.E.ウェストレイク/早川ミステリ文庫

高村薫さんの『マークスの山』を読んだとき、ふと思い出して再読したくなって、
物置を探しまくってしまった。

1964年発表の、今でいうところのサイコ物。
初めて読んだとき、すごく新鮮さを感じて、何度となく読み返した覚えがある。
今になって再読してみると、この時代にすでにこの手の作品が描かれていたことが、
驚きかもしれない。
アメリカでは解離性同一性障害(多重人格者)という症例がすでに認知されてはいたが、
理解にはいたっていない、という状況で書かれたのが本書らしい。
時代を先取りしすぎたためか、今のサイコ物と比べると少し物足りないが、切り口は鋭い。

まるで水を得た魚のように、生き生きと他人を演じる犯人が、深奥に抱える罪の意識。
「殺したくないのに」と、彼の本能は助けを求めている。
犯人のそんなメッセージを感じながらも、誰も彼を救えない。
連続殺人犯という言葉が持つイメージとは、何かそぐわない孤独な魂が哀しい。

作者D.E.ウェストレイクは、
ドナルド・E・ウェストレイク(映画『ビッグ・マネー』『グリフターズ/詐欺師たち』などの原作)、
『悪党パーカー・シリーズ』のリチャード・スターク、
『刑事くずれシリーズ』のタッカー・コウなどの別名義で多くの作品がある。


*ここの本の感想は一口メモ程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部】へどうぞY
# by sumika_meimu | 2006-02-27 23:02 | 快楽読書小倶楽部

とりのおりんぴっく- 尋ね鳥…(^^;

トリノオリンピックもいよいよ大詰め。
私が今のところトリノで一番面白かったのは、
スノーボートのスノーボードクロスとハーフパイプ。
どちらも日本人の活躍はいまいちだったけど、迫力満点。
もちろん、モーグルやスピードスケートにも、
スポーツ観戦好きの血が騒いでわくわくしていたけど。
スポーツライターの方々には『アスリート系』と『ストリート系』を分けるべき
という意見もあるし、オリンピックの競技としては確かに違和感もあるのだけど、
観客としては面白いから…ま、いーじゃん…じゃダメかな(笑)。

そんな中、友人から「鳥のおりんぴっくの画像送ったよー」と添付メールが届いた。

とりのおりんぴっく- 尋ね鳥…(^^;_d0010037_23592525.jpg














かっ…可愛いっっっ♪
気が抜けるくらい、平和だ!!

ただしこの画像、発信元が分からない。
一応、検索してみたんだけど……。

どうやら友人→友人→友人→……と、「不幸の手紙」みたいに回っているらしい。
こんなステキなおりんぴっくを作ったのはどなたでしょう。
お友達になりたいわ(笑)。

ところで、検索中に、
全然違うサイト様なのだけど、やはり鳥のオリンピックを取材しているHPを発見♪
【はばたけ!オリンピック】

………笑わせてもらいました!
# by sumika_meimu | 2006-02-23 00:33 | この愚かな日々

哀愁のハードボイルド―サム・リーヴズ

HPでは、今まで何冊かまとめてレビューしていたのだけど、
それだと更新スピードが遅くなってしまうことに気づいて(今頃?)、
最近は少しずつ(1冊ずつ)でもUPするようにしています。
「おおっ進歩だ!」と自画自賛(うふっ)。


「長く冷たい秋」「雨のやまない夜」「春までの深い闇」「過ぎゆく夏の別れ」
サム・リーヴズ/ハヤカワ・ミステリ文庫

何年かぶりに再読したので、今回は4作品まとめてのシリーズ評。
ベトナムの帰還兵で、タクシードライバーを主人公とするハードボイルド。

主人公のクーパー・マクリーシュはシカゴのタクシードライバー。
恋人のダイアナには、学歴があるのだからリスクの多い運転手などやめて、と言われつつ、
人間関係人がうまく築くことができない彼は運転手にこだわる。
血の気は多いが、人生の途中で立ちすくんでしまった、悲哀を滲ませた中年男は、
ハードボイルドでは定番のキャラクターだが、
その性格設定や清新な印象を残す、独特の雰囲気がいい。
事件に巻き込まれ、身も心も傷つきながらも解決していく様子が一作毎に展開していく。

クーパーはベトナムで嫌というほど死を間近に見たせいで、生き方は屈折している。
自虐的な一面を抱えながらも、彼の人間的な優しさが魅力的だ。
女性をターゲットにしたようなシリーズタイトルで、私も乗せられて買った口だけど、
でも、彼の優しさは、当事者(特に恋人)には伝わりにくい優しさなんじゃないかな。
男が示す優しさと、女が求める優しさには、ギャップがあるということね。

推理部分の展開はちょっと甘さを感じるが、心情的な語り口と叙情的描写、
じっくりと書き込まれた人間関係などで、味わい深い作品になっている。
父と子との物語でもあり、心に傷を持つ人間同士の絆を描いた作品としてもお薦め。



*ここの本の感想は一口メモ程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部】>【快楽読書倶楽部】へどうぞ。
# by sumika_meimu | 2006-02-22 19:14 | 快楽読書小倶楽部

標的は11人-モサド暗殺チームの記録

ジョージ・ジョナス/新潮文庫

今回は私のウィークポイント、ってーか…中東絡みなのでちっとばかりマジ。

当事者の告白をもとに、ジャーナリストの著者によって構成された息詰まるドキュメント作品。
スピルバーグ監督の映画「ミュンヘン」の参考図書にされている(原作ではないので念のため)。

ミュンヘンオリンピック開催中の1972年9月、PLO(パレスチナ暫定自治政府)の過激派
「黒い九月(Black September)」に所属するテロリスト8人によって、イスラエルの選手と
役員11名が殺害された。
イスラエルのゴルダ・メイア首相は、モサドのエージェントであるアフナーに、ミュンヘン事件の
首謀者および関与したテロリスト11名の暗殺の極秘指令をだす。アフナーをチームリーダー
として、武器、爆薬、移動手段、文書偽造のスペシャリストからなる5名の暗殺チームが編成
される。

トップの地位にいるテロリストを殺害することで、グループの気勢を殺ぐことができれば、
次のテロ活動を躊躇させることができるかもしれない。
反テロ行為=殺人、を自分の中で正当化しつつ、暗殺チームは西ヨーロッパに潜行し、
標的9名を暗殺。彼らは完璧な任務遂行と自負していた。
だが、3年近く強いられた緊張や心労、そして依然としてテロが繰り返されている現実に、
彼らは任務の意義を見失っていく。
さらに他のチームの失敗により、自分たちもPLO側に暗殺されるかもしれないという恐怖に
怯えるようになる。事実、アフナーのチームの存在も敵方に知られ、3人の仲間を喪って
しまう。

作戦終了の通知を受けて自国に戻ると、意外なことにアフナーは英雄として扱われる。
次の任務も用意されていたが、アフナーはニューヨークで妻子との平穏な生活を求めて、
モサドからの辞任を求める。
だが、モサドの工作管理官は、アフナーの銀行口座の3年間の報酬を凍結し、
執拗に復帰を促がす。

本書を通じて明らかにされるのは、途切れることのないテロとその報復の繰り返しの構図だ。
自爆攻撃による犠牲者の何倍もの市民を殺しても、イスラエルはテロ国家と呼ばれない。
ほんの少しでも占領地を返せば、国際社会は「英断」と評価する。この不公平感はなんだろう。
「人口増で入植地がもっと必要」という主張にどれだけ説得があるのか。
それでもテロ組織が悪いのか。

けっしてテロルを支持はしないが、「占領が終われば闘争も終わる」という因果関係は
はっきりしている。つまり、暗殺チームの非合法な暴力工作は、テロルと同根なのだ。
水面下で繰り広げられる秘密情報工作や組織の冷酷な側面をも描き、薄ら寒くなってくる。

報酬を取り上げられ無一文になったアフナーだが、現在は名前を変えて、妻子とともに
合衆国に住んでいるのだそうだ。
巻末の「取材ノート」ではアフナーの告白の真偽を調査、検証している。
# by sumika_meimu | 2006-02-19 21:18 | 快楽読書小倶楽部