弥次喜多道中記-その1
目指すは奈良。 京都のついでに回ろうとして幾度となく挫折。 奈良は奈良だけで日程を組まなきゃあかんっと過去から学び、今回は奈良一本に絞る。 東大寺をはじめ、奈良公園近郊の寺院は何度か行っているので、 今回はそっち方面は時間があったら回るという、ある意味とても地味~な旅である。 まずはその第1弾。 【1日目】 お昼ごはんにぜひとも食べたいものがあった。 そのメニューはランチしかやっていない。 昼の営業は14時までという店のワガママに合わせて、新幹線の出発時間を逆算。 早っ。 でも、食いもののためならがんばるわっ、私。 誘惑多き京都でもわき目も振らず、やって来ました奈良の街。 ところが、その店が入っているホテルがない……駅から程近いはずなのに。 14時のタイムリミットまで1時間あまり。 焦って見渡す先に目に付いた交番で尋ねたところ、 ホテルの名前が変わっているという……私が目指す店は…あるのか? ようやくたどり着いた店の名も変わっていたけど、名前は忘れた。 目当てのメニューさえ無事ならなんだっていいんだ。 もちろん、即注文。 それがこの、大和イモの団子が入った熱々の「大和鍋」 鶏肉のスープと豆乳で仕立てた鍋で、濃厚でいてさっぱり。 中に入っている団子は すりおろした大和イモを 油で揚げたもの。 もっちりシャキシャキという 食感がたまらない。 ほかには大振りに切った大根、人参、豆腐、 しこしこの地鶏が入っている。 柿の葉寿司が2巻と香の物、デザートは葛ゼリー付き。 柿の葉寿司のご飯には刻んだ山椒の実が混ぜてあった。 美味でございまする~♪ (この時から大食らい珍道中は始まっていたのだ) 食後は薬師寺へ。 唯一創建当時より現存しているという東塔のフォルムが好きで、 奈良に行くと取りあえず訪れるところ。 境内はムラサキシキブや シロシキブが地味~に満開。 あんなにたくさんの、並木状態になった ムラサキシキブたちを見たのは初めて。 ついでに「大宝蔵殿特別公開」をやっていたので入ってみた。 目玉は吉祥天画像――意外と小さい画でびっくり。 ガラガラだったのでのーんびりみていたらすごく時間を食ってしまって、 気がついたら4時半近くになっていて、慌てて平山征夫画伯による「大唐西域壁画」へ急ぐ。 これも秋の特別公開――特別という言葉に人は弱い。 そして……。 うっかりしていたけど、お寺って拝観時間が5時までなんだよね。 唐招提寺には行けませなんだ。 奈良の夜は早い……。 その夜は寒いし疲れ果てて、ホテルでの会席料理に変更。 デザートの作りたての葛きりが一番美味でした…って、どーよ。 【2日目】 初日から飛ばしすぎたのか、寝坊してしまった。 今日は、行けそうでなかなか行けなかった斑鳩。 法隆寺駅前のレンタサイクル(一日500円)を利用して、 法隆寺→中宮寺→法輪時→法起寺、という聖徳太子ゆかりの地をまわる。 法隆寺のエンタシスの柱(柱の中央部よりすこし下がふくれていて、 上部にかけて細くなるという形)に抱きつき、太子の温もりに浸る(笑)。 ああ、きっと太子のおみ足もこの大地を踏みしめられたに違いない…うっとり。 なぜ"うっとり"かって、そりゃあ私の煩悩ゆえでござんしょう。 なんたって、私の聖徳太子萌えの原点が 榊原史保美さんの『火群の森』や、山岸涼子さんのマンガにあるという、 分かる人には分かる、邪まな理由のため……お許し下せえ、太子様。 分からない人はさくっと流しましょう。 [おまけ]怪しい理由 雲ひとつない見事な晴天。 普通は喜ばしいだろうが、 ぬけるような青空は紫外線過敏症には大敵。 帽子を深くかぶり、その上からストールで頬を カバーし、さらにサングラスという、 すっごく怪しげな風体のせいで、 行き交う人はちらりと見て目をそらす…カナシイ。 ←これなんかストールを下げた分、マシな方。 外国から来ていたご夫婦なんて、 あからさまに避けていたもん(泣)。 宝物殿では百済観音のなよやかなお姿にじんわり感動。 煩悩多き私もこーいうのが少しは分かる程度には大人になったんだなあ。←自画自賛。 隣接する中宮寺は尼寺らしく優しい雰囲気。 法隆寺では修学旅行生に何組か遇ったけど、こちらは(たまたま)だーれもいなくてラッキー♪ 微笑みの仏像と言われる菩薩半跏像と、ゆっくり向き合う。 ああ、邪まな煩悩が洗われていく……ような気がする(気分だけだけどな)。 寺2つで3時間……拝観料は高いけどモトは取ったな…。 平野とはいえ、山の方に向かえば緩やかな上り坂。 日頃の運動不足がたたって、じんわーりじんわーり足が重く。 同行者に迷惑をかけつつ、自転車をこぐこと20分くらい? 田んぼの向こうの山の麓にはずらーっと並んだ柿の木にたわわに実り、 空気には鄙びた田舎の匂いがする。 ここまで来ると、力つきてカフェで一服したくても店がない。 法輪寺(三井寺)から、さらに20分ほどかけて法起寺へ。 両寺ともひと気がなくてひっそりした佇まい。 そろそろ夕刻、レンタサイクルを返さねばなりません。 駅までの道すがら…あああーっ休みたいよおっ。 と、蕎麦屋発見♪ 朝が遅かったので空腹を忘れていたけど、お昼、食べそこねていた。 お昼兼おやつで、ざる蕎麦を食べる。 食べるのめっちゃ早し……。←店員さんあきれる。 奈良に戻る電車の中でメタメタ疲れていることを自覚。 奈良の寺は広い。 鎌倉のつもりで回っちゃいかんのです。 ホテルに戻って一眠りして、いそいそと晩ご飯へ。 なぜかフランス料理フルコースになだれ込んでしまった。 BISTROT SQUARE[ビストロ・すくわ~る]という、 ちょっと奥まった所にある隠れ家のようなこじんまりとした店。 マスターは一家言がありそうな…年取ったらイケズなオヤジになりそうな…(笑)。 お値段のわりにはすっごくボリュームがあって美味しかった。 ワインで気持ちよくなったけど、食べ過ぎて胃がカチカチ。 道すがらチェックしておいたスタンドバーまでは無理だった。←まだ飲むつもりだった。 嗚呼、なにゆえ胃袋には限度があるのだろう(哀)。 【追記】ばってらの放浪季~第2巻さんのブログで法隆寺はじめ、 斑鳩のとても美しくて雰囲気のある画像が紹介されています。 私はデジカメがヘタなので人様のブログに他力本願(汗)。
by sumika_meimu
| 2005-10-26 20:01
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