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杉浦日向子さんと粋なお酒

杉浦日向子さん逝去のショックから少し立ち直ったので、ちょっとだけ。

多くの方が『お江戸でござる』や漫画で杉浦日向子さんを知ったという中で、
たぶん私は横道(裏道?)から入った方だろう。

杉浦日向子さんの著書との出会いは、食いしん坊な私らしく
『ソバ屋で憩う』(1997年)というエッセイだった。
そのころ私は池波正太郎氏にはまっていて(今でも繰返し読んでいるけど)、
『散歩のとき何か食べたくなって』とか『むかしの味』などで、
池波氏の粋なダンディズムに心酔し、女であることがなんとなく悔しかった。
女では似合わないというか…こういうダンディズムは殿方だから粋になるのだろうから。

ところが、ふと手に取った杉浦さんの『ソバ屋で憩う』に、
女性のダンディズムたる姿を見たのだ。

『ソバ屋で憩う』 には、「昼の酒」 についての一文がある。引用してみる。

東京のソバ屋のいいところは、昼下がり、女ひとりふらりと入って、席に着くや開口一番、
「お酒冷やで一本」 といっても、「ハーイ」 と、しごく当たり前に、
つきだしと徳利が気持ち良く目前にあらわれることだ。
(中略)
ソバ屋で憩う、昼酒の楽しみを知ってしまうと、すっかり暮れてから外で飲むのが淋しくなる。
暗い夜道を、酔って帰宅するなんて、まったく億劫だ。
いまだ明るいうちに、ほろ酔いかげんで八百屋や総菜屋を巡って、
翌日のめしの仕入れをしながら着く家路は、今日をたしかに過ごした張り合いがある。
これはまさに池波正太郎氏も書かれている、散歩の途中で「蕎麦屋でひとり酒」だ。
彼女は淡々と、自分のペースでゆっくりと盃を傾ける、そんな時間を楽しんでいたのだろう。
そんな粋を、さらりとできることに私は憧れていた。
かっこいいじゃないか。



『ニッポニア・ニッポン』 に中島梓氏が寄せた解説の一文。

杉浦日向子はどういう方法を使ってか、
二百年がとこ前に死んだ人たちを呼び出して躍らせます。
まさしく彼女は(江戸時代専属の)口寄せの巫女の性をもっているのです。

中島氏らしい表現だけど、確かに杉浦日向子さんの魂には江戸が息づいていたのだろう。

でも寂しいなあ。
# by sumika_meimu | 2005-07-29 02:41 | 快楽読書小倶楽部

高校野球の楽しみ方

高校野球の神奈川代表が決まった。
でも、昨日の準決勝カードが決勝みたいだったし、
二試合とも延長戦になるほどの熱戦で力が入っていたせいか、
何となく今日は気が入らず、
気がついたら大差になっていたという感じで…。

4本のヒットで決勝に進んだチームだったけど、
勝利の女神様は気まぐれなのね。


うーん…残念。


でも智弁和歌山が代表に決まったのがちょっと嬉しい。
あ、母校でもないし、知り合いもおりません。
まるっきり縁もゆかりもない高校だけど、校歌が歌える♪
これも高校野球の楽しみだったりして(笑)。

そういえば、代表になった桐光学園の応援はなかなかの硬派でよろしい。
ブラバンの選曲とか、
色々な要素で楽しめるのが高校野球――って、邪道かしらん。
# by sumika_meimu | 2005-07-28 22:15 | この愚かな日々

杉浦日向子さん 急逝

先ほどTVで、杉浦日向子さんの訃報を聞いて、ちょっとショック。

知性的でいて軽妙洒脱な作品や、品のある魅力的なお人柄に憧れてました。
まだ46歳とのこと。残念でなりません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
# by sumika_meimu | 2005-07-26 01:21 | 快楽読書小倶楽部

すごすご、ふたたび。

今日は地区予選の試合もないし(笑)、
クラゲを見てマッタリ気分になりたくて、
久し振りに江の島水族館(通称・エノスイ)に行ってみたくなった。

この水族館は世界初のクラゲ展示館で、
クラゲさんのほわ~と漂う姿が好きなのよ。
心がささくれたり、落ち込んだりしたときにもお世話になった。
ほけーと眺めててるだけでなんとなーく元気になって←単純なのさ。

前回行ったときはちょうど改装中で、
海に向かってバカヤローしてすごすご帰った傷心の日から、1年半。
車を走らせれば15分くらいなんだけど、なんとなくそれっきりになっていた。

ひとつには江の島水族館になって、
エデュテインメント型水族館とやらになってから入場料が高くなっちゃったこと。
以前は水族館だけの入場券も買えたのだけど、現在はそれができない。
イルカショーなどはパスしたくても、もれなく付いてきちゃうんだな。
リニューアルしてからは混んでいるだろーし。

ところが唐突になんとなくクラゲさんに会いたくなって、
ほどよく曇天だし、紫外線アレルギーの私には比較的お出かけ日和。
(一番いいのは雨降りのとき…笑)
年間パスポート買っちゃおーかなーなんて思いながら、いそいそと車を出した。

で、忘れていたんですねー。
今日は25日、そして連休明け。
おまけに、お子どもは夏休み……。

30分でも海までたどり着けなくて、根性なしの私はあえなくUターン。
ふたたび、すごすごお家に帰ってきてしまいましたとさ。
あーあ。

再チャレンジは秋になってから、だな。


↓オシャレになったけど未だたどり着けない新江の島水族館。
http://www.enosui.com/
# by sumika_meimu | 2005-07-25 23:17 | この愚かな日々

更新

・迷夢的西鶴 >『男色大鑑』5巻-1「泪のたねは紙見世」をUP。
今回からしばらく町人物に入ります。
ストーリーは、歌舞伎子の純情ってところ。
田近画伯の艶っぽい挿絵入りです。
# by sumika_meimu | 2005-07-24 14:17 | 迷夢的西鶴