カテゴリ:快楽読書小倶楽部( 38 )

「おまけのこ」「涙堂」にて「やっとかめ」←なんのこっちゃ(笑)

ここの本の感想は一口メモ程度。詳しい感想はreviewへどうぞ。

「おまけのこ」畑中恵
『しゃばけ』シリーズ第四弾。「こわい」「畳紙」「動く影」「ありんすこく」「おまけのこ」を収録した
連作短編集。
若だんなの「せっせと死にかける」とか、「気合の入った病人ぶり」などの表現が落語のようで、
からりとした笑いを誘う。

「涙堂ー琴女癸酉日記」宇江佐真理
夫の非業の死の真相追求を縦軸に、人それぞれの思いや出来事を、下町の日常の風景、
季節の移ろいに織り込んで描きだす情の機微を描いた時代小説の連作集。
勝ち気な琴と彼女をめぐる人々が生き生きと描かれ、小気味いい。

「やっとかめ探偵団と鬼の栖」清水義範
名古屋を舞台にしたパワフル婆ちゃん探偵団の活躍を描く人情が温かいミステリ。
少々耳が遠かろうと、神経痛が痛もうと、亀の甲より年の功。
人生経験に裏打ちされた人間観察には脱帽するしかない。
「やっとかめ」はお久しぶりっていう意味で、漢字では「八十日め」と書くのだそうだ。
「やっとかめだなも、元気にしとりゃあたかね?」=お久しぶりです。お元気でしたか? って感じで使う。
ほっこりしていい感じの名古屋弁だと思うけど、現在ではほとんど使われていないらしい。
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by sumika_meimu | 2005-09-17 14:25 | 快楽読書小倶楽部

ルパン作戦の行方は…?

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「ルパンの消息」 横山秀夫
取調室の張り詰めた緊張感、時効を前に全力を尽くそうとする刑事たちの迫力、
殺風景な取調室の背景に鮮やかに切り込む回想シーン、
少年たちのツッパっているけどウブい言動の数々。
それらが交互に出てくる雰囲気は独特。
今や大人になってしまった15年前の少年たちが語るやんちゃで無鉄砲な日々への、
「もうあの頃には戻れない」という郷愁が全編を貫き、ほろ苦い青春小説にもなっている。
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by sumika_meimu | 2005-08-27 23:32 | 快楽読書小倶楽部

夏休みだから児童書も(2)――更新-8/6

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「神秘島物語」J・ベルヌ原作/文・佐藤さとる
気球に乗って無人島に漂着した大人四人と少年一人と犬一匹が、
知識と行動力と見事なチームワークで困難を乗り越えていくという漂流物。
子供の無邪気さで、ハラハラドキドキしながら楽しめる。

「撃つ薔薇-AD2023涼子」大沢在昌
過剰な意義付けを行うことなく、あくまで無邪気なエンターテインメント。
怒涛のアクションシーンあり、非情な場面あり、ロマンチックな恋など、
涼子の八方破れの活躍を楽しもう。

「砂の狩人」大沢在昌
不器用な男たちのにじみ出てくるような熱さが、いっそ切ない。
隠し玉は「男心に男が惚れた」かな。
男って看板は重いなあ。
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by sumika_meimu | 2005-08-07 16:33 | 快楽読書小倶楽部

夏休みだから児童書も(1)更新-7/31

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「ダレン・シャン(シリーズ)」ダレン シャン
人間の心を捨てられないゆえのダレンの苦悩や悲しさ寂しさが、
グロテスクな描写を交えて描かれる一方、
「いや、もどれない。過去は、過去。いまはもう、後ろをふり返らないに限る」
と、運命を前向きに受け入れていく姿勢は感動的。

「かげろう絵図」松本清張
清張作品は結構読んでいるのだけど、そういえば清張さんの時代物は読んだことないなあ、
ということで読んでみた。
権力に対する清張氏の冷徹な視線は迫力すら感じられる。

「イケズの構造」入江敦彦をUP。
その世界にどっぷりはまれば、この丁々発止は面白いのかもしれないが、
読めば読むほど分からなくなる京都人の深さに、背筋がゾクゾク…怖くなる。
圧巻は紫式部やシェークスピア作品のイケズ語訳(笑)。
面白くも恐ろしい作品。
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by sumika_meimu | 2005-07-31 22:31 | 快楽読書小倶楽部

杉浦日向子さんと粋なお酒

杉浦日向子さん逝去のショックから少し立ち直ったので、ちょっとだけ。

多くの方が『お江戸でござる』や漫画で杉浦日向子さんを知ったという中で、
たぶん私は横道(裏道?)から入った方だろう。

杉浦日向子さんの著書との出会いは、食いしん坊な私らしく
『ソバ屋で憩う』(1997年)というエッセイだった。
そのころ私は池波正太郎氏にはまっていて(今でも繰返し読んでいるけど)、
『散歩のとき何か食べたくなって』とか『むかしの味』などで、
池波氏の粋なダンディズムに心酔し、女であることがなんとなく悔しかった。
女では似合わないというか…こういうダンディズムは殿方だから粋になるのだろうから。

ところが、ふと手に取った杉浦さんの『ソバ屋で憩う』に、
女性のダンディズムたる姿を見たのだ。

『ソバ屋で憩う』 には、「昼の酒」 についての一文がある。引用してみる。

東京のソバ屋のいいところは、昼下がり、女ひとりふらりと入って、席に着くや開口一番、
「お酒冷やで一本」 といっても、「ハーイ」 と、しごく当たり前に、
つきだしと徳利が気持ち良く目前にあらわれることだ。
(中略)
ソバ屋で憩う、昼酒の楽しみを知ってしまうと、すっかり暮れてから外で飲むのが淋しくなる。
暗い夜道を、酔って帰宅するなんて、まったく億劫だ。
いまだ明るいうちに、ほろ酔いかげんで八百屋や総菜屋を巡って、
翌日のめしの仕入れをしながら着く家路は、今日をたしかに過ごした張り合いがある。
これはまさに池波正太郎氏も書かれている、散歩の途中で「蕎麦屋でひとり酒」だ。
彼女は淡々と、自分のペースでゆっくりと盃を傾ける、そんな時間を楽しんでいたのだろう。
そんな粋を、さらりとできることに私は憧れていた。
かっこいいじゃないか。



『ニッポニア・ニッポン』 に中島梓氏が寄せた解説の一文。

杉浦日向子はどういう方法を使ってか、
二百年がとこ前に死んだ人たちを呼び出して躍らせます。
まさしく彼女は(江戸時代専属の)口寄せの巫女の性をもっているのです。

中島氏らしい表現だけど、確かに杉浦日向子さんの魂には江戸が息づいていたのだろう。

でも寂しいなあ。
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by sumika_meimu | 2005-07-29 02:41 | 快楽読書小倶楽部

杉浦日向子さん 急逝

先ほどTVで、杉浦日向子さんの訃報を聞いて、ちょっとショック。

知性的でいて軽妙洒脱な作品や、品のある魅力的なお人柄に憧れてました。
まだ46歳とのこと。残念でなりません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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by sumika_meimu | 2005-07-26 01:21 | 快楽読書小倶楽部

「孤宿の人」「十八面の骰子」を振りながら「半島を出よ」

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「半島を出よ」村上 龍
この小説は怖い。
それは戦後60年かけて醸造された平和ボケ社会が陥る「現実」が残酷なまでに
リアルに描かれている。
終盤まで引き込む緊迫感と迫力は充分。

「十八面の骰子」森福 都
宋代最盛期を舞台に、身分を隠して旅する巡按御史一行が活躍する連作短編集。
身分を隠した旅の一行がその土地の悪を正すというのは、
帯にもある「水戸黄門の原点がここに」の世界である。とはいえ、
このキャッチコピーはいかがなものか…逆に引いちゃうんじゃないか、ふつう(笑)。
語り口が軽妙でなんとも楽しい。

「孤宿の人」宮部みゆき
望まれずに生まれた少女ほうの無垢な心はたくましい。その健気さが救い。
切ないけど、読後感は悪くない。
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by sumika_meimu | 2005-07-14 15:26 | 快楽読書小倶楽部

二遊間の恋

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・快楽読書倶楽部
「二遊間の恋」ピーター・レフコート(迷夢書架/JUNE発掘隊 共通)
ランドロフ・ドレフィス(ランディ)28歳。長身でブロンドのハンサムさん。
伝統ある大リーグの白人スター遊撃手にしてMVP最有力候補。
ブロンド美人で聡明な妻との間に双子の娘あり。
そんな男がある日突然、恋に落ちた。
相手は、よりにもよってチーム・メイトでダブルプレー・デュオのパートナーである、
寡黙でストイックな黒人二塁手D・J・ピケットだった――。
と書くとキワモノ扱いされかねない内容だが、なかなかどうして読みごたえがある。
スキャンダラスな事件を扱っているのだけど、俗受けを狙ったいやらしさ、はったりはない。
恋という厄介な感情に真正面から取り組んでいる。
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by sumika_meimu | 2005-06-24 15:15 | 快楽読書小倶楽部