カテゴリ:快楽読書小倶楽部( 38 )

読了本覚書

まだreviewまで手が回らないのだけど、取りあえず忘れないうちに、読んだ本を…。

『地底大戦 上・下』 ダグラス・プレストン&リンカーン・チャイルド
 この邦訳タイトルはあまりにも酷い。センスがないにもほどがある。
 まるで安っぽい怪獣映画みたいだけど、『レリック』の続編にあたる。
  ペンターガスト様のイメージが、ガラガラと崩れてしまうじゃないか!(泣)
 
『アベラシオン 上・下』 篠田真由美
イタリア美術についての薀蓄が圧巻。
よくも悪くも篠田真由美って感じかな。←なんのこっちゃ。

『ベルカ、吠えないのか?』 古川 日出男
終戦間近の第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争を、
軍用犬とされた犬たちの目が、人間が繰り広げる戦争を見つめる。
とにかく泣ける。
犬が語る言葉は、シンプルでストレート。それだけに切ない。
私なんて、帯だけで泣けてしまった。

『うそうそ』 畠中恵
「しゃばけ」シリーズ第5弾。
初めての長旅に出る若だんなとその一行。
誘拐、天狗の襲撃、謎の少女の出現と、怒涛の事件が若だんなを襲うのだが、
全体的にやや物足りないのが残念。
それにしても……よくぞ生き抜いたね、若だんな。

『東京百鬼-陰陽師石田千尋の事件簿』 浦山明俊
舞台を現代とする陰陽師もの連作短編集。
これがデビュー作なのだそうだ。関西弁の陰陽師が新鮮(笑)。
  

もっと読んでいると思うのだけど…忘れた。
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by sumika_meimu | 2006-06-06 23:50 | 快楽読書小倶楽部

レリック

ダグラス・プレストン&リンカーン・チャイルド/扶桑社ミステリー文庫

ペンターガスト様会いたさに、『殺人者の陳列棚』に引き続き再読。

ペンターガストシリーズというか、ニューヨーク自然史博物館シリーズ第1作目で、
レリック(RELIC)は「遺宝」という意味。

次々と発見される、脳を食い荒らされた死体。
DNA分析から浮かび上がる、殺人者の意外な正体。
ニューヨーク自然史博物館を舞台とする、
SF、ホラー、パニック、アクションの要素を、綿密な設定で練りこんだ…欲張りな小説(笑)。

なんといっても、やや類型的とはいえ、文句なくかっこいいキャラクターが、
ペンダーガストFBI特別捜査官♪

彼については『殺人者の陳列棚』にも書いているので、ここではさらりと。

「あんたはその場に応じて、お上品な態度をかなぐり捨てられるんだな」
「ちっともFBIの人間らしく見えないわ」 
「やつは悪魔のように抜け目がない」

以上は作中のペンダーガスト像といったところ。

怪物とタメを張る存在感といい、
頭が切れてスマートでユーモアがあって射撃の達人とくれば、ほぼ完璧なヒーロー像。

というわけで、キャラクター読みしているような気がしないでもないが、
もちろんストーリーも迫力満点。


本家【快楽読書倶楽部】の方の書評は、また今度。
ひー、眠ひ…。
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by sumika_meimu | 2006-05-27 01:30 | 快楽読書小倶楽部

殺人者の陳列棚(上・下)

ダグラス・プレストン&リンカーン・チャイルド/二見文庫

ふと、特別捜査官ペンターガストに会いたくなって、再読。
うん――いつ読んでも、妖しげな魅力を醸しているなあ。
キャラが立ち過ぎていようと、その妖しげでストイックな雰囲気が、もうっ、私のツボ♪

白っぽい金髪に虹彩の薄い瞳で、妖しい魅力倍増の白皙の美貌。
黒のスーツが標準装備の、ノーブルな気品漂う紳士であり、
運転手付きのロールスロイスで移動する。
周囲の者を否応なく巻き込む、さり気ない強引さ。
古今東西のあらゆる知識に通じ、異様な推理法で怪しさ大爆発!(笑)
例えるならば、20世紀からいきなり古色蒼然たる19世紀にタイムスリップさせられた
かのような違和感。
こんな人物がFBI捜査官というのがこの作品の一番の謎かも。
そんなペンターガストに引きずられ、作品全体もそこはかとなく気品漂う。

百年前と現代がクロスオーバーする、
ニューヨークの古さと新しさの匂いが鼻孔に漂ってくるような、
いい意味でいかがわしく猥雑な世界を堪能できる。

ペンターガストは、『レリック』『地底大戦』にも出演しているので、
そちらも再読する予定。
でもチョイ役なんだよなー。
ぜひ、「特別捜査官ペンターガストシリーズ」としてシリーズ化してほしいなあ。

ペンターガスト様、LOVE……(ぽっ)。


*ここの本の感想は一口メモ程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部】へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-05-19 17:36 | 快楽読書小倶楽部

負け犬のブルース

ポーラ・ゴズリング/ハヤカワ・ミステリ文庫

昔の恋人が何者かに殺され、彼女を熱愛していた現在の恋人である骨董商は、
ジョニーこそ殺人犯だと信じ、復讐してやると脅してくる。
暴漢に襲われ、ピアニストの命である左手を砕かれたり、
殺人容疑をかけられたり、疲れた大人もイジケてはいられない…っていうサスペンス(笑)。
 
この作品の魅力は、主人公であるジョニーにある。
少しばかり今の自分に倦んでいて、少々世間知らずで、優しくもあり頑固でもあり、
好きになった女性には悪戯をしかけるような子供っぽさがある。

少年の心を持ちつづける男って、女性の多くが好きなタイプ。
この女性作家らしい視点が生きたジョニーというキャラは、
ゴズリング女史の趣味なのかしらん。

全体的にはサスペンス色の濃い作品なのだが、緊迫感と共に洒落た会話が
コミカルな味わいを醸していて面白い。
ラストでは意外な真相を用意されている。


*ここの本の感想は一口メモ程度。
詳しい書評は【ポーラ・ゴズリングの部屋】へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-05-06 16:06 | 快楽読書小倶楽部

ゼロの罠

ポーラ・ゴズリング/ハヤカワ・ミステリ文庫

拉致、脅迫、閉ざされた空間…と舞台装置を整え、サバイバルとミステリとスパイ物に
ハーレクイン的要素までぶち込んだサスペンス(たぶん)。

北極圏の一軒屋に誘拐した人質を彼らだけで閉じ込めておく、という発想に感心。
零下20度以下という自然の檻に閉じ込められ、犯人と人質との交渉もほとんどない。
そんな彼らの動きと、彼らを発見しようとしている外部の動き。
そして徐々に明らかになっていく謎。
しかしストーリーは遅々と進まない。
もどかしくなっていたら、いきなりの急展開にびっくり。


*ここの本の感想は一口メモ程度。
詳しい書評は【ポーラ・ゴズリングの部屋】へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-05-05 00:39 | 快楽読書小倶楽部

「逃げるアヒル」-ポーラ・ゴズリング

久し振りに読み返していたら、ついハマってしまって、手持ち本をすべて再読。
ついつい読みふけってしまって更新が滞ってしまいました。
……体調が悪いと、その分本が読めます(笑)。

さて、そのポーラ・ゴズリング女史といえば、
ハードボイルドから英国風ミステリまで幅広い作風を持ち、
サスペンスの女王といわれている方。
全体を通して思ったことは、ストーリーの構図はシンプル。
でもそれを、わくわく読ませてしまうのは、作家の力量ってもの。

手に汗にぎる戦慄のシーンあり、躍動感あふれるアクションシーンあり、
疲れた大人の葛藤あり。そして必ずロマンスがある。
男女の心の綾が女性らしい細やかさで織り込まれているのが特徴かな。

ってことで、今回はデビュー作の「逃げるアヒル」 をご紹介。

「逃げるアヒル」ハヤカワ・ミステリ文庫

英国推理作家協会賞新人賞を受賞。

命を狙われる女と、彼女を護衛する任務に就いた刑事、執拗に彼らを狙う暗殺者。
シンプルな展開だが、スパイスを効かせて、ピリリとしたサスペンスに仕上がっている。

戦争の記憶と心の傷、殺し屋の行動を推理する心理戦など、
女流作家らしくきめ細かい構成と、迫力ある筆致が鮮烈。
デビュー作でこのレベルって、すごい…!

ちなみにスタローン主演の映画「コブラ」の原作となっているけど、似ても似つかぬ作品。
いっそ映画は別物と思えば腹も立たない(笑)。


*ここの本の感想は一口メモ程度。
詳しい書評は【ポーラ・ゴズリングの部屋】へどうぞY
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by sumika_meimu | 2006-05-05 00:20 | 快楽読書小倶楽部

ダ・ヴィンチ・コード

ダン・ブラウン/角川文庫[上・中・下]

文庫版はなぜ上・中・下の3巻に分けられたのか。
なぜ、ハードカバーと同様の上下巻ではいけなかったのか――。
そりゃ、3巻に分けた方がコスト-パフォーマンスがいいからだろう。
こーゆーのも企業努力っていうやつ?
でも、購入する方は高くつくじゃん……なんだか納得しずらいなぁ。
講談社の京極夏彦作品の腱鞘炎になりそな分厚い文庫本は極端にしても、
見習ってほしいなぁ。

と、気持ちよく愚痴ったところで、『ダ・ヴィンチ・コード』感想行きますっ(笑)。

ルーブル美術館館長ソニエールの死体が、異様ともいうべき形で発見された。
事件の犯人という濡れ衣を着せられる、宗教象徴学教授ロバート・ラングドン。
逃走と真相究明のために、ストーリーは怒涛の展開をしていく。
事件が起こってから一応の決着をみるまで、たった12時間。
しかしボリュームを感じさせない、凝縮した12時間だ。

誰が、なぜ、ソニエールを殺したのか? 
彼が死の間際に伝えようとしていたこととは?
もちろん、追っ手をかわしながら謎解きにも挑まにゃならない。
事件の真相も真犯人も、すべてソニエールが体を張って隠した暗号の中にあるのだから。

それらの謎が「キリスト教会」の成り立ちに関係しているのだから、薀蓄の嵐となる。
その中心にあるのが、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にある壁画、
レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた「最後の晩餐」。
ダ・ヴィンチとダ・ヴィンチの作品にまつわる謎は、
これまでにも多くの著作やテレビの特集番組に取り上げられているが、
それらをどう解釈して結末へと繋げていくのかが、この作品の読みどころだ。

象徴学と暗号学をもとに、興味深い薀蓄をどんどん繰り出してくるあたりの興奮は、
難解で壮大なものであればあるほど刺激的。
ダ・ヴィンチをはじめとする古今の素晴らしい芸術家たちに対する圧倒的な知識と、
スリリングな雰囲気のなかに、いつまでも漂っていたくなる。

映画の方ももうすぐ(2006年)公開されるが、
物語は映像化を意識していたのでは、と思うほど映像的だ。
ラングストン教授にトム・ハンクス、フランス司法警察にジャン・レノという配役も、
二人とも好きな俳優なので楽しみ。
でも、なによりも注目しているのは、その舞台となるルーブル美術館の内部や教会などの
歴史的建造物や芸術作品の数々。
撮影許可、取れたのかな。むしろそっちに興味深々(笑)。


*ここの本の感想は覚え書き程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部】>『ダ・ヴィンチ・コード』へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-03-26 23:43 | 快楽読書小倶楽部

これぞ耽美小説『アレキサンドライト』山藍紫姫子

山藍さんらしい、ノーブルな香り漂う耽美な・・・これはポルノグラフィである。
タイトルの「アレキサンドライト」とは、光によって緑色であったり紫色に変化する宝石で、
作中では、主人公シュリルの両性具有の性を象徴している。

1992年白夜書房から上梓、'95年にはコアマガジンから再販されたが、
この度、角川文庫でさらに再販されたことを記念して(?)、再読。
私が持っているのは白夜書房版なのだけど、もちろん今読んでも全然古くないどころか、
BL世代には逆に新鮮なんじゃないだろうか。

虜囚にされたシュリルは、屈辱的な陵辱で、性の悦楽をたっぷり仕込まれることになる
のだが、その描写のあけすけさは、いっそ厳粛なくらい。
とにかく念の入った描写で、官能というものをフレグランスのように立ちのぼらせている。
暴力と絶対的な権力が支配する世界に晒されながら、肉体と心はいつも背を向け合って
いる。エロスの深淵とはそういうものなのだろう。

山藍さんの作品は、濃厚な官能を放出しつつも、その尋常ではない世界から、
やがて荒涼とした寂しさが滲み出てくる。
その寂しさは、愛を渇望する、熱く切ない思いだ。
流麗な文体から立ちのぼる官能、これこそが耽美というもの。

2006年2月に角川文庫で、大幅な加筆修正のもとに再販。
驚いたのは、角川ルビー文庫ではなく、一般書として出版されていること。
角川さんてば、チャレンジャーだわ(笑)。


*ここの本の感想は覚え書き程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部>JUNE発掘隊】山藍紫姫子さんの部屋へどうぞ。


『ダ・ヴィンチ・コード』は、その圧倒的な薀蓄でノックアウト中。(^o^;
感想は次回…がんばれる…のか?
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by sumika_meimu | 2006-03-18 00:53 | 快楽読書小倶楽部

10日、『ダ・ヴィンチ・コード』文庫版が解禁~♪

以前、CNNで放送された、
『ダ・ヴィンチ・コード』についてのローマン・カソリック教徒の間での大論争を観てから、
とても興味があったのだけど、ハードカバーは高いし…で、
この日をずーっと待っていました。

さっそく昨日から読み始めて、ただ今中巻の途中。
キリスト教徒ではないから、歴史ミステリとして単純に楽しんでいます(笑)。
ダ・ヴィンチの謎には、以前読んだ『聖骸布血盟』で鍵となる、
謎のテンプル騎士団も絡んでいて、
本書では少し舌足らずな時代背景も鮮やかに脳裡に浮かぶようで、読んでてよかったー♪

まだ物語は中盤。
象徴学と暗号学、さらにはシオン修道会やテンプル騎士団、キリスト教会の裏の歴史など、
スリリングな雰囲気が盛り上がってきたところ。
続きが楽しみ。
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by sumika_meimu | 2006-03-13 15:42 | 快楽読書小倶楽部

神の火

高村薫/改定版:新潮文庫

複雑な国際諜報を描いたスパイ小説。
国際謀略の手駒となるべく育てられた島田浩二は、日本原子力研究所に勤める
技術者である一方、原子力技術に関する機密をソヴィエトの情報機関に流すスパイを
務めてきた。
ようやくそんな生活から足抜けした島田は、平凡な暮らしを手にいれたつもりだった。
だが父の葬式の席で、島田は自分をスパイの世界に引きずり込んだ張本人である
江口彰彦と再会する。
それは島田自身が刻んできた過去からの、逃れようもない呼び声であった。

島田を取り巻く状況が二転三転し、なかなか真実が見えてこない。
諜報合戦や水面下での駆け引きはスリリングで緊迫感がある。
その意味では『リヴィエラを撃て』と構造が似ているが、島田が普通の会社に通う日常と、
スパイとしての非日常のコントラストの描き方が見事だ。

砂上の楼閣のような人間関係の虚しさ。
それでもひとりの人間として生きようとする男たち。
行き場のない苛立ちゆえに、個々の人生を振り回す権力をすべてを承知で、
男たちは、もはや止めようもない熱波のような激情に突き動かされて、
救いのないラストへと疾走していく。

ラスト――見上げた空の雪模様と場の空間の広がりが、
まるで映像のように鮮やかで臨場感がある。

複雑に織り上げられた人間模様に潜む愛憎や、
追い詰められた状況の中でふっと浮かび上がる男たちの絆が、
高村作品らしく、熱っぽさが充満している(笑)。


*ここの本の感想は覚え書き程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部】>高村薫へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-03-10 00:44 | 快楽読書小倶楽部