カテゴリ:おでかけ( 8 )

映画「ジャーヘッド」

10日に「ジャーヘッド」(最終日だった)、
11日に「エミリー・ローズ」(こっちは初日)を観てきました。
2日続けて同じ映画館に通ってしまったわけで(笑)。
両方とも良かったです。
特に「エミリー・ローズ」は思った以上。
確かにテーマは悪魔祓いなんだけど、これをホラーに分類するのは勿体ないなあ。
で、今回は「ジャーヘッド」の感想を。


 「ジャーヘッド」とは、米海兵隊員の仇名で、
隊員の、湯沸しポットの蓋のようなヘアスタイルのこと。
教養がなくて頭の中は空っぽだけど、いつもカッカしているという、
侮蔑的意味もあるらしい。
原作は『ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白』(アンソニー・スオフォード 著)

この映画がユニークなのは、いざ戦場へ出向いたものの、銃を向ける敵もいなく、
砂漠でひたすら待つだけという状況を、コミカルに、そして皮肉っぽく描いていること。

軍隊に入れば大学に行かせてもらえるからと、
軽い気持ちで海兵隊に志願したスオフォード。
しかし個性がないことが一番重要という、人間性を無視した過酷な訓練は、
彼を次第にソルジャーへと変えていく。

1991年、彼らは湾岸戦争に出兵したものの、外交交渉が続き、
砂漠で待機させられること、176日。
その待機中という状態が、彼らにとっては唯一の敵だったのかもしれない。
退屈な日々に、胸には望郷、頭の中はSEXのことだけ。
ついには開戦するのだが、彼ら海兵隊員(歩兵)は一発も銃を撃たないまま、
戦争はたった4日間で終結する――というのが、この時の湾岸戦争だった。

わずか4日間の進軍で、彼らは、明らかに避難民と思われる車の列が、
米空軍に攻撃されるところに遭遇し、黒焦げの死体が散乱する中で嘔吐する。
アメリカの空爆による破壊のあとや、敗北したイラク軍の凄惨な姿の前に、
勇気や正義や理想なんてどこにもない。
彼らを攻撃する必要があったのか?
自分たちは一体何のためにここにいるのだろう?
疑問に苛まれる姿が、リアルだ。

狙撃兵として出兵したスオフォードだが、一発も撃たずに戦争は終わる。
しかし、

ぼくらはまだ砂漠にいる。

反戦メッセージを声高に叫んでいるわけではない。
それだけに印象的な戦争映画だ。
[PR]
by sumika_meimu | 2006-03-12 21:19 | おでかけ

和洋折衷、ここに極めり?!

ますます慌しくなる(であろう)年の瀬を前に、唐突に温泉に入りたくて、
癒されたくて、のんびりしたくて、温泉に浸かってきました。
↑何か(主に大掃除とか)から逃げているのかもしれない。

交通時間がもったいないのでいつもの熱海のリゾートマンション(私の持ち物ではない)。
明るいうちに入る大きいお風呂って、なんで気持ちいいんでしょ♪
もちろんお肌もぴっかぴか…ですともっ?

ま、それは置いといて…今回はその話題ではないのだ。

翌日、熱海在住の友人と昼食を約束。
面白い店を見つけたという。
いんや~な予感……。
この友人、面白い=変な、で、味は二の次というヤツなのだ。
なんでも食事には2時間くらい必要らしい。
「ゆっくりおしゃべりしながら食べられるから、いいんだよお」
とは友人の弁。
ま、暇だからいいけど。

さて、その「面白い店」とやらは喫茶店にしか見えない。
中に入っても寂れた喫茶店的雰囲気。
カウンターの向こうには気難しい顔をした60代とおぼしきオヤジさん。
カウンターのこっちには面白くもなさそうな顔をした、たぶん奥さん。

「お食事ですか?」
「はい」
「時間はありますか?」
「はい」

客は私たちだけ……なんだか妙に緊張してしまう。
メニューは…と見れば、
スパゲティのナポリタン(!)とミートソース、カレーライスが1000円で、
一番高いハンバーグステーキが1200円。
食事のメニューはそれだけ。

――それで…なぜ2時間?

飲み物のメニューは比較的充実しているけど、ソフトドリンクのみ。
2時間もかかるらしいのに、ビールすらない。

友人の勧めるままにハンバーグステーキを頼む。
まず時間つぶしに(だろう)、まずコーヒーが出てくる。
そして、カボチャのスープ。
そこまでは、まあ想定内だろう。

そして…私は絶句することになる。

オードヴル…いや、あえて「先付け」と言おう。
実は全部にをつけたいほど分類が難しいのだ。

先付け…蛤の酒蒸し・数の子・カニ):各ちょびっとずつ
向付…刺身(ひらめ・いか)
和え物…まぐろの山かけ
揚げ物…天ぷら(えび2種・いか・白身の魚・ホタテ・かぼちゃ・さつまいも・茄子・ししとう・ハス・しその葉):中皿にこんもり山盛り
おしのぎ…蕎麦
メインディッシュ:ハンバーグステーキ(生野菜たっぷり添え)
御飯…(さすがに軽め)
香物…漬物
水物…シャーベットとゼリーの盛り合わせ(オレンジ・レモン・メロン・メロンゼリー)

これで1200円?という驚きよりも……

……………………なんじゃこりゃ~っっっ!の世界だ。

のちに聞いたところ、食事代別の有料老人ホームのお年寄りに人気があるらしいとのこと。
なんでもハンバーグや天ぷらを持ち帰って夕食にしたりするのだそうだ。

すでに天ぷらが出た時点でギブアップ状態。
酒もないのにこんなに食べられるわけがない……食べたけど。
ほとんど趣味でやっているとしか思えないフルコースであった。

味は、といえば…まあ、普通だろう。
いや、決して不味くはない。
2時間の意味もよーく分かった。
でも、もう一度行きたいとは思わないな。

友人の「面白い」感覚についていけない気がするこの頃。
ちなみに、店の名はきれいさっぱり失念した。
[PR]
by sumika_meimu | 2005-12-22 02:13 | おでかけ

弥次喜多道中 最終章

[4日目]つづき。。。
めでたく近鉄奈良駅に遭遇。
案内版を見ると次は「国際会館行き」――って、京都に行くの?
目的地は四条なんだけど…。
駅員さんに尋ねたところ、奈良人独特の言い回しで、なんだか要領を得ない。
行くなら行く、通らないなら通らない、乗換えが必要ならどこどこで何線(どこ行き)に乗り換えるとか、
なぜ簡潔に案内できない?
すったもんだのあげく、「国際会館行き」なら四条を通ることが分かり、一件落着。

近鉄の車両って、こんな華やかな蒔絵風のがあるんだね…。
     
     ↓色がきれいに出ないけど、金箔を意識した綺麗な金色。
d0010037_0191022.jpgd0010037_017314.jpg













四条で地下鉄烏丸線に乗り換え、四条烏丸へ。
あえて時代祭りを避けたつもりだったけど、奈良から出てくると京都はべらぼうに人が多い。
車も多いし、私を誘惑する店も多い。
なんだか目があっちこっち飛び散るんですけど?

いかんっ、こんなことをしている余裕はない。
私には天命があるのだ!

いづうの鯖姿寿司、LOVEY

学生時代、家族へのお土産にして以来、京都に来ると必ず買って帰る(ことになってしまった)寿司である。
でも今回は数年振りなのでたどり着けるか、ちょっと不安←碁盤の目の京都でも迷子になれる私…。

きゃーん、素敵な手ぬぐい屋さんだあ…時間があったら帰りに寄ろっ。
あ、呉服屋さんで売り出しをしてるー…時間があったら目の保養をしていこう。

あまたの誘惑を振り切り、あったー♪
……のだけど、目が点になった。

細い道路をはさんで、片や「いづう」がある情緒あふれる京町屋。
d0010037_0265265.jpgd0010037_0272195.jpg
















その向かいには小さいビルが並んでいる。
しかも、なんとファッションヘルス。
その業界風の兄さんがなんとも異質。
ショック………京都の変化を目の当たりにした瞬間であった。

う………うわああああああぁぁっぁあっぁん!!

なんて、泣いているヒマはない。
とにもかくにも「いづう」が健在であることを感謝しよう。

京都にいたのは2時間足らず。
ただ「いづう」の鯖姿寿司を買うために。
そこまでして食い倒れたいのも、やっぱり弥次喜多クオリティ?

ちょこっとあまった時間は、永楽屋という手ぬぐい屋さんへ。
明治から昭和初期の図案を復刻した町屋手拭の、
モダンで奔放なデザインには目を見張るばかり。
二階の手拭ギャラリーも見たかったけど、買物に費やす。

そんなこんなで、京都まで戻って新幹線に乗り、帰路についたのでした。

へろへろ。
楽しかったけど、へろへろ(笑)。


心残りは、手ぬぐいに誘惑され、
松葉のにしんそばを食べ損ねたこと……最後まで食いモンかい(笑)。
[PR]
by sumika_meimu | 2005-11-05 00:39 | おでかけ

弥次喜多道中 もうすぐおわり

[4日目]
まるで男子学生並みの適当さで突き進んで来たこの旅も、もう終わり。
最後に立ち寄るのは興福寺。
ホテルの前の道をひたすら真っ直ぐ歩けばたどり着くのだけど、
道すがら、誘惑的な店が並んでいる。
美味しそうなお土産屋さん各種とか、お香屋さんとか(お香好きだったりする)、
趣のある看板とか、マンホールにまで反応するから、遠い遠い(笑)。

d0010037_033935.jpgd0010037_0335058.jpg













趣のある看板(その1)
地酒の醸造元らしいけど、飲み損ねたのが心残り。





d0010037_0441098.jpg
看板(その2)
銀行も鹿のマーク♪




               ↓マンホールにも鹿さん。
d0010037_0463415.jpg



紆余曲折のすえ、ようやく興福寺にたどり着く。
南円堂の裏の方から入ったのだけど、なんでも悲願の「中金堂」再建計画中とかで、
前に来たときに比べると妙にだだっ広い空間がある。
2010年完成を目指しているのだそうだ。

なにはともあれ、目指すは国宝館。
いわゆる趣のある古い木造寺社建築ではなくて、冷暖房完備の鉄筋コンクリート造りだ。
入った真正面にいきなり、「あ、デカイ顔」
高さ1m以上ある仁王様の生首がどてんと出迎えてくださる。
――首を作ったものの、仁王象をつくる予定が計画倒れになってしまい、
体は造らず中途半端になったものらしい。
びっ…びびるじゃないかっ。
チケットを買おうとした後ろのお婆さんもビクッと怯えていた。
配置に若干、問題があるかと。

仏像達は どれも表情や仕草が個性的。
浮き上がる筋肉、血管が見事に写実された金剛力士立像の迫力や、
運慶の工房が担当した二つの菩薩立像の写実性には感動。

かと思えば、
木造天燈鬼・龍燈鬼立像や、木造四天王立像は、
どことなくユーモラスで気持ちがほっこりする。

有名な阿修羅像を代表する乾漆八部衆立像は、
仏教がインドから流れてきたという異国情緒が漂うようで、
当時の仏師の鋭い感性に感じ入るばかり。

阿修羅像の愁眉に満ちた表情は、光瀬 龍氏や萩尾望都さんの
『百億の昼と千億の夜』でインプットされた壮大な物語世界と重なり、私の中では別格。
ほかにお気に入りなのは「迦楼羅像」←鴉天狗のモデルと勝手に解釈(笑)。
仏像に微かに残る色で、造られたときは鮮麗な色彩だったことが分かる。
でもっ……こんなものを見つけてしまった。
うーむ…。
確かに、大陸から入ってきたのだから最初はそうだったんだろうけど。
わびさびの日本の風土には思いっきり違和感。
イメージがガラガラと音をたてて崩れていく……。

そして何よりも圧巻なのは、国宝館のど真ん中に位置する、木造千手観音菩薩立像
背中からびっしり生えた沢山の手には、斧、紐、薬壷などなど様々な道具が握られ、
ちょっと苦しそうな、でもおだやかなお顔。
なんとかして煩悩深き人間を救おうとして下さるお姿に、無条件に心がほどける。

境内には、神獣の鹿がたくさんいて、そこらじゅうをうろちょろしている。
鹿せんべい屋さんの横に陣取り、客がせんべいを買うのを待っている
ちゃっかりやもいれば、一回り小さい鹿は今年生まれた仔かな。
生えはじめた小さい角はまだ毛に包まれている…可愛い~♪
思わず触らせてもらっちゃった。

途中、お坊さんたちの厳粛な読経が聞こえてきたので、
そのお堂を探したのだけど、中、覗けない。
いやあ、いい声ですな。
つい、まったり聞いていたら、相棒氏の白い目が…。
「実は美坊主萌えなのだ」ということをはにかみながら告白。←脚色。
お坊さんが大勢いる所では、私はいつも煩悩まるだし。
ちょっといいカラダしてる(腹筋とかがしまってる)美坊主だったらもっとよろしい。
いかんっ…煩悩全開ではないか。
今思い出したけど、この坊主萌えは、以前声明(しょうみょう)を聞きに行ったのが発端だったかもしれない。
いい加減にしないと、お心の広い千手観音サマにまで見捨てられてしまう。

……………話がそれた。

その後、奈良公園をだらだら散策するつもりだったけど、
鹿と遊んでいたら体が冷えてしまったので、適当な食べ物屋へ。
とにかく温かいものが食べたくて、きつねうどんと豆腐の田楽をチョイス。
このきつねうどん。
丼と同じくらいの大きさのふっくらした揚げが入っていて美味しい。
きつねうどんで感激したの、初めてだよ~。
もう、ここに住む。←え?
夢中になって食べ終わってから、写真を撮るのを忘れたことに気づくのだった。←またかよ。

さあ、京都に出て新幹線の時間まで買物をするのじゃっ。


ところで……近鉄奈良駅はどこ?




4日目つづく。。。
[PR]
by sumika_meimu | 2005-11-03 01:28 | おでかけ

弥次喜多道中記-カモン、ろま~ん♪

[3日目]
朝のうち雨、のち曇り、やや寒し……明日香村はもそっと寒い。
今日は、何度も行こうとしてるのに何故か阻まれて来れなかった、明日香村謎の石造物を巡る、である。
もちろんレンタサイクル―1日900円・乗り捨て料金200円也―で回る。

高松塚古墳→鬼の雪隠・俎(まないた)→亀石→川原寺跡→二面石(橘寺-伝:聖徳太子生誕地)→
石舞台→酒船石→飛鳥寺、と回る。
文武天皇陵、天武・持統天皇陵、欽明天皇陵などの御陵もたくさんあるけど、
体力的に無理なのではじめから予定に入れない賢い私……天気悪いし(笑)。

さーて、いよいよ待ちに待った石たちだあ…の前に、
取りあえず押さえておきたい高松塚古墳
外見はただの小山。
もちろん石室は密閉されているから入れないけど、隣の高松塚壁画館で、
飛鳥美人など壁画の模写を見る。
今日はいっぱい回るから少し早足。

鬼の雪隠・俎(まないた)
何でこんな大岩があるの? が、鬼の雪隠。
つまり鬼のトイレットだな……鬼にはオスしかいないのか?(笑)
鬼の俎は、鬼が人間を料理した?
なーんて、実は古墳の中身だそうな。
これだけの石室に葬られた人物だから、権力があった人なのだろう。
それなのに、雪隠・俎なんて言われちゃうなんて、ちょっと気の毒。

亀石
d0010037_23414048.jpg
普通の田んぼ道の道沿いの民家の横にどかんと鎮座していて、
本当に亀の形をしている。
「今南西を向いているが、
もし西を向くと洪水になるという伝説」があるのだそうだ。
巨石でありながら、表情は何ともラブリィ。




川原寺跡
建物跡の大きさを示すために復元された礎石が点々と配置されているけど、
何も知らなければ、ただの公園にしか見えないただっ広い空間。
三次元で想像力を働かせれば、南門から中門、回廊、西金堂、講堂(現・弘福寺)と、
絢爛たる伽藍が脳裡に浮かぶ……なんて無理っ。
というわけで、さくっと次へ。

橘寺
寺伝が物語る「太子出生の地」は伝説の域をでないのだけど、
太子の勝鬘経講説のときに、蓮の花が天から溢れ落ち、この地に降ったという。
高さ1mほどの背中合わせに2つの顔が彫られた二面石は、太子殿の南庭にある。
これもやっぱり明日香特有の石造物。
寺院という場所柄、いつしか「善と悪の二面を表す」というような解釈が付加されたらしい。

石舞台
蘇我馬子くんの墓といわれているけど定かではない。
露出した巨石の形状から「石舞台」と呼ばれている古墳(の上部が無くなったらしい)。
ふ~んと、隙間から中を覗いたら驚いた。
中に巨大空間。
しかも人が入れる。
もちろん、いそいそ。
……驚き。
なんだか石のパワーに圧倒されてしまって、ちょっと怖い。

ふわりと小雨模様になってくるし、これは休めという天の采配。
石舞台近くにあった「あすか野」で昼食。
おみやげとして付いてくる小さな埴輪風の土人形ほしさに「あすか定食」を注文。
内容は、あまごそばと山菜ご飯、香の物、だったかな?
ああ…また写真に撮るのを忘れてしまった。
食べ物を前にすると、食い気の方が優先してしまうのよほ…。
食べ終わるころには雨も上がる。
きっと私の日頃の行いを、神様は見て下さっていたに違いない(笑)。

さあ、今のうちにちゃっちゃと回るぞっ。

亀形石造物
平成4年に発見された。
石造物については『日本書紀・斉明紀』にこんな記述がある。

舟二百隻で石上山の石を積み、流れのままに下り、宮の東の山に石を積み垣を造る。
人夫は三万余り。加えて垣造りに七万余人。


しかし、実はだれも本気にしていなかったらしい。
ところが酒船石のある丘一帯の調査により次々と石造物が発掘され、
ホントだったんだーってことになった。
とはいえ、築造年代や用途などは文献になく、あいかわらず謎の石造物。
だからこそ謎がまた謎を呼び、興味をかき立ててくれるわけで…。
これらを造った人も後世の人間がこんなに悩むことになるとは思いもよらなかったのだろうなー。
思わず飛鳥人に思いを馳せ(想像がつかないから気分だけ)、遠い目……。

亀形石造物と関係が深いとされる酒船石へは亀形石造物の横から道があって、
簡単に行くことができるが、自転車は遠く…。 

酒船石
小高い丘の竹薮の中に、どでんとある。
近年ではこの周辺の発掘調査が進み、少しずつヒントは増えてきたとはいえ、未だ謎めいた存在。
自分の浅はかな知識では到底手におえないことはわかっていながらも、つい想像をめぐらしてしまう。
……何らかの宇宙からのメッセージだとか?←ふっ、俗人はそんなものよ(笑)。

少し日が傾いてきたら急に冷えてきたし、慣れないサイクリング大会でかなり疲れていたので、
予定していた板蓋宮跡とか水落遺跡とかをすべてすっ飛ばして飛鳥寺に直行。

飛鳥寺
蘇我馬子の発願により建立された、日本で最初の本格的な寺院。
寺の入り口付近にある看板が、なかなかに素晴らしい。
「人は忘れ、土地は寂れ、寺は小さくなろうとも、すべての文化の発祥の地であること誇りに思う」
みたいな事を書いてあるんだけど、その口上にじんわり感動。

かつては塔を取り囲む三つの金堂を中心にした壮麗な伽藍が立ち並び、
曽我氏の絶大な権力を見せつけたものだろう。
しかしこの地は、大化の改新のおりには蘇我入鹿の暗殺を断行した、
中大兄皇子と中臣鎌足ら革命軍の拠点となった。
飛鳥大仏は変わらずここに座りつづけ、1400年という時間を、ずっと見つづけてきたのだ。

ところで、飛鳥大仏は国宝ではなく重要文化財。
一番ひどい状態の大仏様は、こ・れ・だっ、というくらいお顔は傷だらけだし、
数度の罹災によって補修が施され、その姿が変わっているかららしい。
そのおかげで、間近に会うことができるのだけど。

などを、詳しく説明をしてくださる住職さんが居られるのだけど、
土地の言葉の上に早口なので、よーく注意して聞いていないと分からなくなってしまう(汗)。

寺の裏の蘇我入鹿の首塚に。
ここは誰もいないかなと思ってたら、本当に誰もいなかった。
しかも、綺麗に整備されているとはいえ、田んぼの真ん中だ。
山々に囲まれ、黄色くなった田んぼがただ広がる。
乙巳の変(大化改新)の時、板蓋宮跡で討たれた蘇我入鹿の首がここまで飛んできたと言われる。
大した跳躍力じゃ。

ちなみに私の入鹿くんの下地は、
黒岩重吾氏の『落日の王子―蘇我入鹿』や、
'05年正月に放送された「大化の改新」の渡部篤郎さん(笑)。

ここに入鹿=渡部篤郎さんの首がごろんと転がっていたのか……。
つい想像しちゃったら、脳裡に鮮やかに映像が……怖いよお。

もっとゆっくり飛鳥寺の森厳とした空気に浸っていたいが、
時間と体力と気温の関係で、あわただしく立ち去らねばならないのが残念。
でも飛鳥の散策は、ちょっとした計画変更や寄り道も自由に出来るのがいいところ。

帰りは膝がガクガク。
やっぱり寄り道をってことで甘味処へ。
葛きりなど食べる。←「など」には、きなこだんごが入る。
レンタサイクルを橿原神宮前駅に乗り捨て(レンタル先に連絡済み)、
奈良まで戻る電車の中で爆睡。

夜になってもお腹は空かないが、ホテル近くのおでんやに入って地酒で一杯やった。
ほんとに、食べてばっかり。


なんだか今回はすごく長くなってしまって……読んでくださった方、ありがとうY

リンク先HP→【巨石巡礼】 【奈良歴史探訪】 【飛鳥】
[PR]
by sumika_meimu | 2005-10-31 00:03 | おでかけ

弥次喜多道中から帰ってきました

弥次喜多道中記-その1

目指すは奈良。
京都のついでに回ろうとして幾度となく挫折。
奈良は奈良だけで日程を組まなきゃあかんっと過去から学び、今回は奈良一本に絞る。
東大寺をはじめ、奈良公園近郊の寺院は何度か行っているので、
今回はそっち方面は時間があったら回るという、ある意味とても地味~な旅である。

まずはその第1弾。

【1日目】
お昼ごはんにぜひとも食べたいものがあった。
そのメニューはランチしかやっていない。
昼の営業は14時までという店のワガママに合わせて、新幹線の出発時間を逆算。
早っ。
でも、食いもののためならがんばるわっ、私。
誘惑多き京都でもわき目も振らず、やって来ました奈良の街。

ところが、その店が入っているホテルがない……駅から程近いはずなのに。
14時のタイムリミットまで1時間あまり。
焦って見渡す先に目に付いた交番で尋ねたところ、
ホテルの名前が変わっているという……私が目指す店は…あるのか?

ようやくたどり着いた店の名も変わっていたけど、名前は忘れた。
目当てのメニューさえ無事ならなんだっていいんだ。
もちろん、即注文。

それがこの、大和イモの団子が入った熱々の「大和鍋」
鶏肉のスープと豆乳で仕立てた鍋で、濃厚でいてさっぱり。

d0010037_15475636.jpg
中に入っている団子は
すりおろした大和イモを
油で揚げたもの。
もっちりシャキシャキという
食感がたまらない。





ほかには大振りに切った大根、人参、豆腐、
しこしこの地鶏が入っている。
柿の葉寿司が2巻と香の物、デザートは葛ゼリー付き。
柿の葉寿司のご飯には刻んだ山椒の実が混ぜてあった。
美味でございまする~♪
(この時から大食らい珍道中は始まっていたのだ)


食後は薬師寺へ。
唯一創建当時より現存しているという東塔のフォルムが好きで、
奈良に行くと取りあえず訪れるところ。

d0010037_1548361.jpg

境内はムラサキシキブや
シロシキブが地味~に満開。
あんなにたくさんの、並木状態になった
ムラサキシキブたちを見たのは初めて。






ついでに「大宝蔵殿特別公開」をやっていたので入ってみた。
目玉は吉祥天画像――意外と小さい画でびっくり。
ガラガラだったのでのーんびりみていたらすごく時間を食ってしまって、
気がついたら4時半近くになっていて、慌てて平山征夫画伯による「大唐西域壁画」へ急ぐ。
これも秋の特別公開――特別という言葉に人は弱い。

そして……。
うっかりしていたけど、お寺って拝観時間が5時までなんだよね。
唐招提寺には行けませなんだ。
奈良の夜は早い……。

その夜は寒いし疲れ果てて、ホテルでの会席料理に変更。
デザートの作りたての葛きりが一番美味でした…って、どーよ。


【2日目】
初日から飛ばしすぎたのか、寝坊してしまった。
今日は、行けそうでなかなか行けなかった斑鳩。
法隆寺駅前のレンタサイクル(一日500円)を利用して、
法隆寺→中宮寺→法輪時→法起寺、という聖徳太子ゆかりの地をまわる。

法隆寺のエンタシスの柱(柱の中央部よりすこし下がふくれていて、
上部にかけて細くなるという形)に抱きつき、太子の温もりに浸る(笑)。
ああ、きっと太子のおみ足もこの大地を踏みしめられたに違いない…うっとり。
なぜ"うっとり"かって、そりゃあ私の煩悩ゆえでござんしょう。
なんたって、私の聖徳太子萌えの原点が
榊原史保美さんの『火群の森』や、山岸涼子さんのマンガにあるという、
分かる人には分かる、邪まな理由のため……お許し下せえ、太子様。
分からない人はさくっと流しましょう。


d0010037_1795219.jpg[おまけ]怪しい理由
雲ひとつない見事な晴天。
普通は喜ばしいだろうが、
ぬけるような青空は紫外線過敏症には大敵。
帽子を深くかぶり、その上からストールで頬を
カバーし、さらにサングラスという、
すっごく怪しげな風体のせいで、
行き交う人はちらりと見て目をそらす…カナシイ。
←これなんかストールを下げた分、マシな方。
外国から来ていたご夫婦なんて、
あからさまに避けていたもん(泣)。





宝物殿では百済観音のなよやかなお姿にじんわり感動。
煩悩多き私もこーいうのが少しは分かる程度には大人になったんだなあ。←自画自賛。

隣接する中宮寺は尼寺らしく優しい雰囲気。
法隆寺では修学旅行生に何組か遇ったけど、こちらは(たまたま)だーれもいなくてラッキー♪
微笑みの仏像と言われる菩薩半跏像と、ゆっくり向き合う。
ああ、邪まな煩悩が洗われていく……ような気がする(気分だけだけどな)。
寺2つで3時間……拝観料は高いけどモトは取ったな…。

平野とはいえ、山の方に向かえば緩やかな上り坂。
日頃の運動不足がたたって、じんわーりじんわーり足が重く。
同行者に迷惑をかけつつ、自転車をこぐこと20分くらい?

田んぼの向こうの山の麓にはずらーっと並んだ柿の木にたわわに実り、
空気には鄙びた田舎の匂いがする。
ここまで来ると、力つきてカフェで一服したくても店がない。
法輪寺(三井寺)から、さらに20分ほどかけて法起寺へ。
両寺ともひと気がなくてひっそりした佇まい。

そろそろ夕刻、レンタサイクルを返さねばなりません。
駅までの道すがら…あああーっ休みたいよおっ。
と、蕎麦屋発見♪
朝が遅かったので空腹を忘れていたけど、お昼、食べそこねていた。
お昼兼おやつで、ざる蕎麦を食べる。
食べるのめっちゃ早し……。←店員さんあきれる。

奈良に戻る電車の中でメタメタ疲れていることを自覚。
奈良の寺は広い。
鎌倉のつもりで回っちゃいかんのです。

ホテルに戻って一眠りして、いそいそと晩ご飯へ。
なぜかフランス料理フルコースになだれ込んでしまった。
BISTROT SQUARE[ビストロ・すくわ~る]という、
ちょっと奥まった所にある隠れ家のようなこじんまりとした店。
マスターは一家言がありそうな…年取ったらイケズなオヤジになりそうな…(笑)。
お値段のわりにはすっごくボリュームがあって美味しかった。

ワインで気持ちよくなったけど、食べ過ぎて胃がカチカチ。
道すがらチェックしておいたスタンドバーまでは無理だった。←まだ飲むつもりだった。

嗚呼、なにゆえ胃袋には限度があるのだろう(哀)。




【追記】ばってらの放浪季~第2巻さんのブログで法隆寺はじめ、
斑鳩のとても美しくて雰囲気のある画像が紹介されています。
私はデジカメがヘタなので人様のブログに他力本願(汗)。
[PR]
by sumika_meimu | 2005-10-26 20:01 | おでかけ

野村萬斎さん『敦-山月記・名人伝』-9/7

野村萬斎さんの『敦-山月記・名人伝』を観てきました。
場所は何度か行っている世田谷パブリックシアター…会員になっちゃおうかしらと、
ずーっと悩んでいるけど、未だに決心が…(笑)。

[原作] 中島敦    
[構成・演出] 野村萬斎    
[出演]
野村万作/野村万之介/野村萬斎/石田幸雄/深田博治/高野和憲/月崎晴夫
/亀井広忠(大鼓)/藤原道山(尺八)
公演後に音楽方として参加された亀井広忠さん、藤原道山さん、萬斎さんのポストトーク付き♪

中島敦の作品「山月記」と「名人伝」を、苦悩する敦自身を語り手として構成。
舞台は左右になだらかなスロープを描きながらおりてくる三日月をかたどった舞台。
この三日月舞台は正面に二つに別れる仕掛け。
手前はその三日月に抱かれるようにピアノのような鏡面の床になっていて、
あとは机状のものが床から迫り上がるだけのシンプルなもの。
舞台両端に音楽方の、右に尺八の藤原さん、左に大鼓の亀井さんが客席を背に座って、
舞台の進行にあわせて伴奏をつけたり、動物の鳴き声を演出するという形。

正面にはスクリーンに映し出された中島敦の顔写真。
最初はスクリーンに次々と中島敦の一生が映しだされていく。
舞台の上には敦の死体。そして生きている敦。
「敦たち」が次々と出てくる。
「敦」は萬斎さんのほか、3人の「敦たち」がコロスのように群読したり、
敦の苦悩、自尊心、自嘲などのさまざまな感情を分担することで、
複雑な心理劇を演出している。

前半「山月記」は、重厚な水墨画のような雰囲気。
虎になった李徴に野村万作さん。
狂気と正気の狭間で揺れ動く者の表現は、さすがに迫力ある。
狂言と違って、メイクとかつらの万作さんには驚いたけど、
虎になる瞬間の場面の『キャッツ』な万作さんにはもっとびっくり(笑)。
私自身がイメージする李徴は自尊心、虚栄心、功名心など人間の弱さに葛藤するあたり、
もう少し生臭いイメージなのだけど、
万作さんの枯れた李徴もまた、けっして昇華できない人間の無常を伝えているように思えた。

休憩を挟んでの後半は、弓の名人を目指した男の到達した境地を描く「名人伝」。
名人を目指す紀昌と中島敦を萬斎さんが演じ、
「山月記」とはうって変わって、狂言風のコミカルな演出。
「敦たち」がツッコミを入れたり、背後のスクリーン映像と組み合わせたり――
この映像が「日本語であそぼ」風に、鳥、蚤、霰、矢などを漢字で表現して、
たとえば、矢を射ると「矢」という文字が飛び、
空高く飛んでいる鳥という文字が落ちてくるというような演出――で、客席を大いに沸かせた。
映像以外にも早変わりや小道具、そして演奏までもが笑いを誘う軽快な仕上げ。

この芝居を構成するにあたって萬斎さんは
「山月記」中の
「人生は何事も為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い」
の一文を中心にすえ、
為しとげられなかった「山月記」の李徴と、為しとげて名人になった紀昌とを対比させている。
さらに、語り手である中島敦の、若くして亡くなった人生とを重ねていくという手法で、
幻想的な仕様の現代劇と能や狂言の古典を無理なく融合しているように思えた。

芝居後のポストトークの中で、
「敦」を複数する手法は狂言の太郎冠者を参考にしたと説明され、
狂言の奥深さに「うーむ…」
ほとんど原作に忠実な台詞回しを単なる朗読にならないように「敦たち」を設定したのだそうだ。

あああー、ここまで書くのに2時間以上もかかってしまった…。
なんだか疲れたぞ。


どうやら台風も抜けたようだしってことで、
帰りに居酒屋さんに吸い込まれてしまったのはいつも通り(笑)。
でも一緒にいった人がアルコールを飲まないので、なんとなく早々にお開きに。
栗の焼酎「麻呂ん」なんて珍しいものを飲んでみたり、
妙な名前がついている料理を頼んだり、それなりに楽しんできたけど、
(珍しく?)優等生な夜遊びでした(笑)。
[PR]
by sumika_meimu | 2005-09-09 01:33 | おでかけ

深川富岡八幡宮祭-8/14

8月14日、深川富岡八幡宮祭―通称・水かけ祭りに行ってきた。

5月に下町散策なぞ行ったときからチェックしていたのだけど、
なんたって(特に夏場は)超低空飛行を誇る体調だから、
その時になってみないと行けるかどうか分からない。
で、当日。
たまたまそちら方面に行かねばならぬ所用があり、
出てしまえばこっちのもの(?)、足を伸ばしましたともっ。

深川といえば、江戸時代から続く庶民の町で、今年は3年に一度の富岡八幡宮の例大祭。
深川一帯の町が持つ神輿が一同に会(かい)し、町中を練り歩くのだ。

その数なんと、54基!

永代橋から永代通りを、神輿が次々と渡御される。
沿道からはこれでもかと水がかけられる。
町内半纏の担ぎ手から、もわっと熱が放出される。
バケツから水を捲くくらいじゃ「焼け石に水」ってぇ熱気だから、
消防ホースからも勢いよく放水される――凄い。
その迫力は圧巻。
「ワッショイ ワッショイ」の掛け声が怒号のように響く。
この迫力、凄味!! くぅ~熱いぜっ。


↓半纏の柄も町内によって全部違う(その一部)。
いよっ、いなせだね。
d0010037_1521986.jpg
d0010037_1515986.jpg
d0010037_15291678.jpg
d0010037_1541375.jpg
↑水をぶちまけた瞬間。


富岡八幡宮のHP
例大祭は三年後だ。

そうそう――富岡八幡宮は江戸勧進相撲発祥地で、
初代赤石志賀之助から現代までの横綱の名が刻まれた迫力ある石碑などがある。
力士の手形を刻んだ碑もあって、比べっこもできる。
d0010037_14475398.jpg


←5月末に撮影。
このときはほとんど人がいなかったけど、
今回は凄い人出でたどり着けなかった…。
この写真だけ画質がいいのはカメラマンが違うから(笑)。





ブログに書くのが遅くなったのは、当日は気温も高く、おまけに晴れ。
紫外線過敏症だから帽子、長袖は必須の私。
当然ながら暑気あたりで、昨日は寝込んでいましたのさ。

d0010037_159116.jpg←おみやげ♪









【追記】コメントを下さったシンイチロウさんのブログでは、
また違った視点の画像が紹介されています。
とくに「ゆきだおれ」が最高!(笑)
http://blog.so-net.ne.jp/sysy_sysy/2005-08-14
[PR]
by sumika_meimu | 2005-08-16 16:30 | おでかけ