これぞ耽美小説『アレキサンドライト』山藍紫姫子

山藍さんらしい、ノーブルな香り漂う耽美な・・・これはポルノグラフィである。
タイトルの「アレキサンドライト」とは、光によって緑色であったり紫色に変化する宝石で、
作中では、主人公シュリルの両性具有の性を象徴している。

1992年白夜書房から上梓、'95年にはコアマガジンから再販されたが、
この度、角川文庫でさらに再販されたことを記念して(?)、再読。
私が持っているのは白夜書房版なのだけど、もちろん今読んでも全然古くないどころか、
BL世代には逆に新鮮なんじゃないだろうか。

虜囚にされたシュリルは、屈辱的な陵辱で、性の悦楽をたっぷり仕込まれることになる
のだが、その描写のあけすけさは、いっそ厳粛なくらい。
とにかく念の入った描写で、官能というものをフレグランスのように立ちのぼらせている。
暴力と絶対的な権力が支配する世界に晒されながら、肉体と心はいつも背を向け合って
いる。エロスの深淵とはそういうものなのだろう。

山藍さんの作品は、濃厚な官能を放出しつつも、その尋常ではない世界から、
やがて荒涼とした寂しさが滲み出てくる。
その寂しさは、愛を渇望する、熱く切ない思いだ。
流麗な文体から立ちのぼる官能、これこそが耽美というもの。

2006年2月に角川文庫で、大幅な加筆修正のもとに再販。
驚いたのは、角川ルビー文庫ではなく、一般書として出版されていること。
角川さんてば、チャレンジャーだわ(笑)。


*ここの本の感想は覚え書き程度。
詳しい書評は【快楽読書倶楽部>JUNE発掘隊】山藍紫姫子さんの部屋へどうぞ。


『ダ・ヴィンチ・コード』は、その圧倒的な薀蓄でノックアウト中。(^o^;
感想は次回…がんばれる…のか?
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by sumika_meimu | 2006-03-18 00:53 | 快楽読書小倶楽部
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