映画「ジャーヘッド」

10日に「ジャーヘッド」(最終日だった)、
11日に「エミリー・ローズ」(こっちは初日)を観てきました。
2日続けて同じ映画館に通ってしまったわけで(笑)。
両方とも良かったです。
特に「エミリー・ローズ」は思った以上。
確かにテーマは悪魔祓いなんだけど、これをホラーに分類するのは勿体ないなあ。
で、今回は「ジャーヘッド」の感想を。


 「ジャーヘッド」とは、米海兵隊員の仇名で、
隊員の、湯沸しポットの蓋のようなヘアスタイルのこと。
教養がなくて頭の中は空っぽだけど、いつもカッカしているという、
侮蔑的意味もあるらしい。
原作は『ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白』(アンソニー・スオフォード 著)

この映画がユニークなのは、いざ戦場へ出向いたものの、銃を向ける敵もいなく、
砂漠でひたすら待つだけという状況を、コミカルに、そして皮肉っぽく描いていること。

軍隊に入れば大学に行かせてもらえるからと、
軽い気持ちで海兵隊に志願したスオフォード。
しかし個性がないことが一番重要という、人間性を無視した過酷な訓練は、
彼を次第にソルジャーへと変えていく。

1991年、彼らは湾岸戦争に出兵したものの、外交交渉が続き、
砂漠で待機させられること、176日。
その待機中という状態が、彼らにとっては唯一の敵だったのかもしれない。
退屈な日々に、胸には望郷、頭の中はSEXのことだけ。
ついには開戦するのだが、彼ら海兵隊員(歩兵)は一発も銃を撃たないまま、
戦争はたった4日間で終結する――というのが、この時の湾岸戦争だった。

わずか4日間の進軍で、彼らは、明らかに避難民と思われる車の列が、
米空軍に攻撃されるところに遭遇し、黒焦げの死体が散乱する中で嘔吐する。
アメリカの空爆による破壊のあとや、敗北したイラク軍の凄惨な姿の前に、
勇気や正義や理想なんてどこにもない。
彼らを攻撃する必要があったのか?
自分たちは一体何のためにここにいるのだろう?
疑問に苛まれる姿が、リアルだ。

狙撃兵として出兵したスオフォードだが、一発も撃たずに戦争は終わる。
しかし、

ぼくらはまだ砂漠にいる。

反戦メッセージを声高に叫んでいるわけではない。
それだけに印象的な戦争映画だ。
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by sumika_meimu | 2006-03-12 21:19 | おでかけ
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