黒い夏

ジャック ケッチャム/扶桑社ミステリー

ベトナム戦争、シャロン・テート事件が起こった60年代のアメリカの田舎町が舞台。
率直に言って救いのない作品。それなのに最後まで一気に読ませてしまう不思議なパワーがある。

当時少年だったレイが無邪気に少女の頭に銃をブチかますという、
衝撃的なシーンから物語が始まる。
レイの狂気には、生い立ちや成長過程との因果関係や原因は提示されていない。
からっぽの人型の中に災厄だけが詰まっているようなもの、と言ったらいいだろうか。
そんなレイに関わり巻き込まれる人々のそれぞれの視点で描写されていく。
人々は、レイの暴走する狂気の原因を考え、しかし困惑するしかないのだ。

短気で偏執的、女と麻薬のことしか頭になく、プライドばかりが異常に高い――歪なレイの
内面を積み重ねるように、丹念に描写される。
じわりと迫ってくる緊張感と迫力が、ケッチャムが好きな人にはたまらなく癖になるのかもしれない。

でも私自身は苦手なジャンル。
狂気や15禁指定したいような暴力のせいではなく、異様な緊張感がストレスになるから(笑)。


*ここの本の感想は一口メモ程度。詳しい書評は【快楽読書倶楽部】へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-02-16 19:21 | 快楽読書小倶楽部
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