痛快なピカレスクロマン

「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎

とても上質なコンゲーム。
人間嘘発見器、スリの達人、演説の名手、正確な体内時計を持つシングルマザーの4人組は、
現在、ロマンある銀行強盗を繰り返しては百発百中の銀行強盗グループである。
「現金輸送車の襲撃にはロマンがない」とのたまう彼らの手口は、
窓口カウンターまで最小限の変装で近づき、
「警報装置を使わせず、金を出させて、逃げる」というシンプルなもの。
綿密な打ち合わせのもとに行なわれた銀行強盗からの逃走中、
4人は思わぬアクシデントに見舞われる。

4人の視点が順番に切り替わりつつ物語が進行していくのだけど、
読む者の手を止めさせない勢いとスピード感がある。
何といっても楽しいのは、綿密な下見に作戦会議、そして実際に実行する銀行強盗。
その最中の演説の名手による薀蓄満載の演説。
呆気に取られている行員や客の顔が目に浮かぶようではないか。
5分きっかりで仕事が終われば、優雅なお辞儀と「ごきげんよう」の挨拶を残し、
スマートに去って行く――なんともお洒落で爽快。

伏線の張り方もさらりと見事で、終盤で次々収束していくさまはいっそ快感。
遊び心満載のエンタテイメント作品である。

*ここの本の感想は一口メモ程度。詳しい感想は[伊坂幸太郎さんのページ]へどうぞ。
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by sumika_meimu | 2006-01-05 19:40 | 快楽読書小倶楽部
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