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強敵「鉄鼠の檻」と「えびす皇子」

私に余裕がなくて、前の更新からほぼ1ヶ月近く経ってしまいました。
でも、「鉄鼠の檻」のレビューで力尽きた気分になってしまったので、今回は2作だけ…。
読み散らかしているわりにはレビューする時間がありません。
少しずつやっつけていきますので、なま温ーく見守ってやってください(ぺこり)。


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「鉄鼠の檻」京極夏彦
3年ぶりの再読。京極堂シリーズで一番好きな作品なのに、
再読するたびにレビューに挑戦しつつ挫けてしまうのは、
濃厚な内容と、この本の分厚さに精神的に満ち足りてしまうかららしい(笑)。

さて、物語は箱根山中に隠された大伽藍が舞台となる。
今回の強敵は、京極堂がひるむほどの禅の世界だ。
京極氏の博識から噴出する饒舌な薀蓄や閑談には、いつもながら圧倒される。
そして本筋とは関係なさそうなそれらが事件の背景として巧妙に構成されている。
つまり、この作品の面白みは巧妙に張り巡らされた伏線にある。焦点はトリックではない。

冒頭の「拙僧が殺めたのだ」のインパクトも強いが、
閉ざされた山の中で修行する僧たちの超然とした姿が崩れていく様も面白い。
そして、すでに馴染みの登場人物である榎木津さんは傍若無人に一服のお笑いを振り撒き、
毎度危うい関口くんもしっかり楽しめる。

本館>快楽読書倶楽部の方では構想9年、執筆1時間(笑)、リキ入れてレビューしています。
そちらもよろしく~♪→快楽読書倶楽部>京極夏彦

「えびす皇子」高橋克彦
古事記を下敷きにした高橋氏お得意の神話系ファンタジー。
『竜の棺・シリーズ』と世界観は同じで、「神=外来説」を元にした作品。
『竜の棺・シリーズ』の仮説に圧倒された読者には物足りなさが残るが、
おそらく続編を意識していたためではないだろうか。
大国主命の国譲りなど、これからがスペクタクルになりそうな展開なのだけど…
続編の行方はいかに?


*ここの本の感想は一口メモ程度。詳しい感想はreviewへどうぞ。
by sumika_meimu | 2005-12-08 23:58 | 快楽読書小倶楽部
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