宮部みゆき My Best 3

トラキチさんのブログMy Best Books!で、宮部みゆきベスト3という企画をなさっています。
面白そうなので、さっそく参加させていただきました。

宮部さんは好きな作家さんだけに、3つに絞るのは難しいですね。
ずい分悩みましたが、私のベスト3は、

1、孤宿の人
武士も市井の人々も、武家の理不尽な社会制度にがんじからめに縛られている。
翻弄されていく境遇を運命として受け入れ、平静に生きていこうと努めながらも、
それでもなお人は悩み、苦しむ。
泣くのは武士も市井の人々も同じだ。極度に気を遣うことにより起こる悲劇。
愚かしく、そしてどうにもならないむなしさに、不覚にも泣けてしまった。
読書で泣いちゃうなんて、何年ぶりだろう。主人公・ほうの健気さが救いだ。

2、ぼんくら
作者お得意の江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に、
その住人たちの日々平凡な暮らしの中に落ちる影と、離散してゆく顛末を描く、
市井もの連作短編集だが、やがてそれらの事件を伏線とする長編ミステリでもある。
優しくはあるが甘ったれた関係ではない長屋の人情模様と、
その向こうに浮かび上がってくる歪んだ愛憎。
謎が解きほぐされてゆくその過程でも、きちんと描かれた人情の温さが心地よい。
理屈ぬきに楽しく読める。

3、蒲生邸事件
今まさに、二・二六事件が勃発しようとしている東京が舞台。
本作の読みどころは謎解きよりも、時間旅行者としての苦悩、
そしてちょっとポンチな主人公が事件を通じて成長していく過程にある。
混迷の時代を誠実に生きた人々の消息とともに、ラストは胸を打つ。
ほんのり幸せな読後感。


宮部さんの時代物が好きなので、必然的にこういう結果になりました(笑)。
時代物が苦手な方も多いようですが、宮部さんの作品は読みやすいので、
ぜひチャレンジしてほしいな。


*ここの本の感想は一口メモ程度。詳しい感想はreview:宮部みゆき作品の部屋へどうぞ。
*宮部さんの作品は結構読んでいるのですが、
  拙サイト【CAFE☆唯我独尊】がもともとJUNE系書評サイトとして出発したため、
  一般書レビューを始める前に読了した作品はレビューしていません。
  再読するまで待って(汗)。
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by sumika_meimu | 2005-10-05 23:58 | 快楽読書小倶楽部
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